遺言について
「遺言」とは
遺言とは?
自分の財産を亡き後に「誰に」「何を」「どれだけ」承継させるかを明確にすることで相続による紛争を防ぐことが遺言の最大の目的です。 なぜ遺言が必要なのかを知るためには遺言がない場合の通常の相続手続きの流れを知る必要があります。
通常の相続手続きの流れ
- 01
相続人の確定
亡くなった方の出生時から死亡時までん全ての戸籍謄本等を収集し相続人を確定させます。
- 02
相続人全員による話し合い
相続人全員で「誰が」「何を」「どのくらい」財産を相続するのか決定します。
- 03
各種の名義変更手続き
相続人全員による話し合いにより決まった内容に基づき預貯金や不動産の名義変更の手続きを行う。
最大のハードルは遺産分割協議
この3つのステップで一番のハードルはstep2の相続人全員による話し合いです。
この話合いのことを「遺産分割協議」といいます。
そしてポイントはこの遺産分割協議が
「相続人全員の同意」がないと成立しないということです。
例えば5人兄弟の内4人が、「長男が父親の財産を相続する」ことに同意しても1人が反対すれば遺産分割協議は成立しません。
また以下のようなケースでも問題が発生するので注意が必要です。
◎相続人の中に疎遠になっている人がいる。
◎相続人の中に連絡が取れない、又は行方不明になっている人がいる。
◎相続人の中に認知症や精神疾患などが原因で正常な判断能力がない人がいる。
相続人の中に上記に該当する人がいる場合でも、その人を除外して遺産分割協議をすることはできません。
遺産が少ないから揉めるわけがないという大きな勘違い
これは全国の家庭裁判所に持ち込まれた相続紛争事件の財産額の内訳表です。 実に32.3%は1,000万以下の財産、43.2%は1,000万円~5,000万円の財産を巡っての紛争が起きています。
それに対し億を超えるいわゆる資産家と言われる家庭の紛争は数%に過ぎません。 多くの方は「我が資産が少ないから揉めるわけがない」と言われますが、その認識が間違いであることが客観的に証明されています。
家族の仲がいいから揉めないという勘違い
私の子どもたちは仲がいいから揉めないという決めつけも危険です。
確かに現時点では仲がいいかもしれません。しかし、相続というのは5年後、10年後、数十年後に起きるものです。その時点で仲がいいという保証はどこにもありません。
実際相続が発生した時点で揉める要因は、
経済的な事情
◎会社をリストラされた。
◎子どもが進学するためまとまったお金がいる。
◎会社が経営不振に陥った。
◎病気の療養費などが必要。
などといった事態が起こったときに、相続が発生しまとまったお金が手に入ると思えば、強く相続権を主張しそれが火種となり、相続紛争に発展することは容易に想像できます。
感情的な事情
◎これまで親の面倒もみたのだから多く相続するのは当然。
◎親の会社を手伝ってきたのだから多く相続するのは当然。
◎長男はこれませ親の支援を受けたはず。
◎結婚した時に援助してもらっている。
などこれまでの親との関係性や兄弟間の想いが親が亡くなった途端に噴出し相続紛争に発展するケースは非常に多いのです。
相続紛争は悲劇しか生まない
結論から先に言うと一端相続で揉めてしまうと解決は非常に困難です。相続人の権利は基本的に平等であり、その権利を主張することは至極全うだからです。
そして遺産分割協議が「相続人全員の同意」が絶対条件である以上、協議が整わないと相続手続きを進めることはできず、調停などの裁判上の手続きに頼らざるを得なくなります。
そして何より相続でもめてしまうことにより
◎相続人が疲弊する。
◎相続税の控除が受けられない。
◎相続財産の活用ができない。
◎弁護士費用が発生する。
◎兄弟が絶縁関係になる。
といった悲劇を生む可能性が高いのです。
普通のご家庭ほど遺言を書きましょう
相続紛争はどんなご家庭にも起こりうることなのです。「資産が少ないから大丈夫」「今家族の仲がいいから大丈夫」という思い込みは極めて危険です。
我が家は普通の家庭だけど万全を期して遺言を書いておこうという心構えが大切です。
遺言について
遺言を書く最大の目的
誰に・何を・どれだけ
それは遺言を書くことで遺産分割協議を経ることなく相続手続きをできるようにすることです。つまり、ご自身の財産を「誰に」「何を」「どれだけ」相続させるのかを明確にすることで相続紛争の元凶である「遺産分割協議」を省略し、円満かつ円滑な相続を実現することです。
相続紛争の原因は遺産分割協議であり、その遺産分割協議が相続人全員の同意を必要とするため、その協議の場面で様々な問題が噴出し、紛争に発展するということは前述したとおりです。
それならば、遺言で相続財産の承継先をご自身が明確にすることで、遺産分割協議を省略し、相続手続きをすることが可能なカタチを準備しておけばよいのです。
ご自身のみで遺言を書くことのリスク
遺言には大きく分けて下記の二つの種類があります。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
---|---|---|
概要 | 自筆で遺言を書きます。 | 公証役場で遺言内容を口頭で公証人に伝え、公証人がそれを筆記します。 |
方法 | 基本的には本人が全て自筆で遺言を書く必要があります。 ※財産目録などは例外があります。 |
公証人がすべて遺言書を作成します。 |
証人など | 不要 | 2名必要 |
費用 | 不要 | 公証人手数料がかかります。 |
署名捺印 | 両方必要です。 | 両方必要です。 |
保管方法 | 遺言者本人がする必要がありますので、紛失や改ざんのリスクがあります。 ※自筆証書遺言の保管制度を使う事が可能です。 |
遺言書の原本は公証役場で半永久的に保存されるので紛失や改ざんのリスクはありません。 |
メリット | ◎自分で作成できる。 ◎費用がかからない。 |
◎公証人が遺言を作成するので法的な要件や形式的な要件不備の可能性がない。 ◎公証人と証人が遺言作成に関与するので本人の意思に基づいて作成したとの立証がしやすい。 |
デメリット | ◎自分で作成するので法的、形式的要件に不備があった場合に無効になる可能性がある。 ◎遺言作成時に誰も立ち会わないので相続発生後その真意性に疑問符がつく可能性がある。 |
◎費用がかかる。 ◎公証役場に依頼する心理的ハードルが高い。 |
裁判所の検認手続き | 必要 | 不要 |
※横スクロールできます
遺言の方式の特徴は上記の通りで、それぞれ一長一短あります。ただし、いずれの方式をとるにしても、専門的な知識がないと本当に有効な遺言を書くことは非常に困難であり、形だけ遺言を書いても法的に無効とされたり、かえって相続人間の紛争を助長する可能性もあります。
遺言について
費用について
安心の遺言サポートプラン
相続アシストはこれまで相続手続き800件以上、相続相談を1,000件以上行ってきた相続の専門家です。
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サービス名 | サポート内容 | 費用(実費は別) | こんな人におススメ |
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※横スクロールできます