2020.10.13
法人でも受託者になれますか?
信託の受託者(財産を預かる者)は家族などの個人でも、法人でもなることができます。現在家族信託のスキームの事例としてよく挙げられているのは高齢の父親の財産を関するために、奥様や子どもを構成員とする一般社団法人を設立しその法人が受託者(財産を預かる者)となるものです。法人が受託者になるメリットとして①法人格があるので構成員の内誰かに不測の事態が起こっても家族信託の事務を継続できる②構成が複数人いるので個人の専横を防ぎ、監督機能が働きやすいなど信託運営の安定性が高いことが挙げられますその一方でデメリットとして①法人設立費用が別途かかる②法人市民税が年7万円発生する③構成員たる家族観で意見の相違があった場合に信託事務に関する意思決定ができなくなるといったものが挙げられます。受託者を個人にするか、法人にするかは非常に重要な要素になりますので必ず専門家の意見を聞きながら多角的な視点で決めましょう。